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ひきこもりの居場所の居心地が悪い理由を考えてみた【体験談】

2022/05/03
こんにちは!

ひきこもりの方の集まるいわゆる「居場所」は、なぜか居心地が悪いことがありませんか?




僕も過去の色んな居場所に参加してきましたが、自分でも理由がわからないけど居心地が悪いことがよくありました。

そして居心地が悪いと「自分が悪いの?」「集まっている他の人が悪いの?」「その場所が悪いの?」と考えてしまいネガティブになちがちですよね。

そこで今回は僕の経験から居場所で居心地が悪い理由を冷静になって考えてみます



ひきこもりの方の居場所に限らず、利害関係がない人が集まるコミュニティ全般に共通しているような事も意識してみました。

※100%個人の経験と主観に基づいた意見なので、ひとつの参考として受け止めていただければ幸いです。

こちらの記事も一緒にどうぞ。

居場所で居心地が悪い理由


参加人数が少ない、または多すぎる


どれぐらいの人数が集まる場所がいいかというのは好みによると思いますが、僕は5~10人までの人数が好きです。

人が多いと賑やかで1人1人が目立たないけど、雰囲気が雑然とするので落ち着かない。
人が少ないと落ち着いた雰囲気でゆっくり話せるけど、1人1人が目立ってしまう。

それぞれ長所と短所がありますが、5人ぐらいが1グループとして一緒に話したり何かをする限界の人数でしょうか?

あまり人と話したくないのなら、大人数に紛れるのもありかもですね(笑)


参加する人の年齢層、または性別に偏りがある


ひきこもりで集まる人たちが老若男女みんなが仲良くできたらいいのですが、現実はそうはいきません。(上手くやっている場所もあると思いますが)

例えば、若い10~20代が中心の居場所に40代の人が参加しても馴染むのは難しいし、逆に40代が中心の居場所に20代の人が参加しても馴染むのが難しいと思います。

同じく男女の偏りがあっても、少数派になってしまう性別の人は馴染みにくいですよね。
やっぱり人は自分に近い人たちが集まる場所が心地良いものです。

少数派が馴染みにくいという以外にもトラブルが起きやすくなるという欠点もあります。

例えば「40代の人が年上だからというだけで、20代の人にお説教をする」
「男性が女性にセクハラ紛いのことをしてしまう」などの悲しいことが起きます。

やっぱり女子会のようにひきこもりの居場所も安心安全を求めるにはジャンル分けが必要なのかもしれませんね。


話をする話題がない(価値観が合わない)


僕は相当変わった人生を送ってきたので、同じひきこもりを経験している人とも話題が合わないことが多いです。

話題が合わないと何が困るかというと、他の人と話すのが難しくなるということ(笑)
価値観にもよりますが、話が合わない人達と一緒に居ても居心地が悪くないですか?

僕の例に限らず、オタクの趣味で盛り上がる人たちの中に全くその話がわからない人が入っても楽しくないですよね。

そして話が合わないのにその場所に居続けるとその人は「聞き役」なってしまうという問題もあります。
カウンセラーでもないのに「聞き役」なるのは疲れますし、自分の話はできないのに他の人の話ばかりを聞いているとストレスが溜まります。

自分の話もできて、相手の話も聞く、お互い様の状態が理想だと思います。

マウントを取る人がいる


僕は今まで正しい意味を知らずに使っていたので、調べてみました。

”自分が上だと示す言動を取ること、自分の優位性を相手や周囲に示す行為”
なるほど!正しくはそんな意味だったんですね。

マウントを取る人はどこにでもいると思いますが、居場所にも例外なくいます。

居場所には自分のことを自慢するよりも他人のやっている事・やろうとしている事を否定するタイプが多い印象です。

「そんな事やっても意味がないよ。お金と時間の無駄。こっちの方がいいよ。」
こんな感じでアドバイス風に言うのが特徴です。

おそらく言っている本人は悪気はないと思いますが、無意識に相手を否定することで自分を上げて安心を得ているのかな...と思います。

本音で話をしにくい(弱音を吐けない)雰囲気がある


本音で話しにくくなるということは
「年齢層・性別に偏りがあって自分が少数派になる」
「話をする話題がない」
「マウントを取る人がいる」
などのいずれかは当てはまっている状況だと思います。

僕は居場所に参加して自分の本音を100%言えるとは思っていませんが、ほんの少しだけでも言えるといいなと思っています。

全く本音を言えないと、完全に他の人に合わせている状態になるので、どこかに無理が出て苦しくなりますからね...。

僕がひきこもりの居場所で不思議に思っている事のひとつはみんな「弱音を吐かない」ことです。(あくまで僕が知っている範囲で)

他の当事者会では「失敗談や弱音」を吐いて共有することが良しとされているのに、なぜかひきこもりの居場所では自分の弱みを見せる人が少ないです。

ひきこもっていると色んな困難やそこに至るまでの様々な状況があるはずなのに...

僕の予想ですが、みんな「ひきこもり」という共通点はあるもののその一方で「それぞれの状況は全く違うもの」と無意識で理解しているから、なのかな?と思います。

居場所(当事者会)に来てまで弱音を吐けずに強がらなくてはならないとしたら悲しいですね。

マシンガントークをする人がいる


マシンガントーク、つまり一方的に話し続ける人のことです。
たぶんその人は「自分が話し続けていないと落ち着かないタイプ」なので悪気はないと思います。

話し続ける人の存在は「その場が盛り上がる」「話のきっかけが生まれる」という良い点もあるので必ず悪いとは言えないと思います。助かる人もいるでしょう。

ただ、一方的に話す人は度を越えると他の人の話す余地を奪ってしまうし、話すのが苦手な人をひたすら聞き役にしてしまうという悪い面もあります。

そして一方的に話す人に対して、「他の人の話を聞かずに自分の意見を押し付けている」という印象を持つ人がいるのも事実です。

何か上手く「一方的に話す人」と「話すのが苦手な人」が同じ場で心地よく過ごす方法はないものですかね。

質問攻めにする人がいる


質問をされるということは、相手に興味関心を持たれているからというポジティブな見方をすることもできます。

でも、ひきこもりは多かれ少なかれ他人に詮索されたくないことがあるので、質問攻めにされると嫌な気持ちになる人もいますよね。

会話の流れで自然に聞く人はまだ良いですが、唐突に質問する人がいるので困ってしまいます。

たぶん質問をする人は悪気がなく、質問することをコミュニケーションの手段としているのかも。
(質問をすることで遠回しにマウントを取ろうとしている人もいますが)

僕はカウンセリングの基本に従って、むやみな質問は相手を傷つける可能性があるので必要なこと以外は質問を控えて、ある程度親しくなってから聞くことにしています。

開催場所が狭い、または広すぎる


やっぱり集まる人数によってちょうどいい広さというのがあると思います。
狭すぎるとあまり親しくない人と近くにいるのは辛くなるし、広すぎると会話の声が聞こえにくくなったり場が盛り上がらなくなる気がします。

僕は参加する人みんなが自分のパーソナルスペースを守れるぐらいの広さがあるといいなと思います。



開催場所の雰囲気が良くない(雑然としている)


同じ人と会っても、会う場所によって話の内容が違ってしまったり、話が盛り上がらないことってありませんか?

僕は場所も人のコミュニケーションに大きな影響を与えるのでは?と思っています。
だから自分に取って雰囲気が良くない場所=居心地が悪いと感じるのではないでしょうか。

雰囲気が良くないと感じる場所は人によって違うと思いますが、僕は騒がしかったり、雑然とした場所が苦手です。
その場所にいると自分の心まで落ち着かなくなってきます。

反対に落ち着いたカフェとか自然がいっぱいの場所は不思議と癒やされて、心が解放されるような気持ちになり、自然と居心地が良い、来てよかったと思えます。

やる事や目的がない(居場所のスタイル)


居場所には大きく分けて、プログラムが決められているタイプ(フリートーク+レクリエーションなど)と完全に自由なフリースペース的なタイプがあります。
(本当にざっくり分けるとですが)

「プログラムが決められているタイプは受け身で参加できるけど、あまり自由がない」
「フリースペース型は集まる人に左右されるけど、自由である程度何をしてもいい」
などの特徴があります。

どちらが良いかはその人の好み次第ですが、フリースペース型はやる事や目的がないので先にあげたような「マウント取り」や「セクハラ」に繋がりやすいです。

僕は目的が漠然としている場所はトラブルが起きやすいと考えています。

フリースペース型は主催者が放任主義なことが多く、コミュニケーションが苦手な人がいきなり人の輪に放り出されてパニックになるということも起きます。

僕は人に慣れてないひきこもりの方は最初はプログラム型の居場所の方が安心できるのでオススメです。

一応、フォローもしておくて自由な場所は集まる人たち次第なので、とても良い雰囲気になる可能性もあります。

LGBTQの人に対する配慮がない

※こちらの項目は後日追記したものです。

この記事を公開してからTwitterで「居場所にはLGBTQの人に対する配慮がない」というご意見をいただきました。

言われてみると、Twitterなどでよく見る意見ですね。

LGBTQの正しい意味が知りたくて調べてみました。
LGBTQとは、レズビアン(女性同性愛者)ゲイ(男性同性愛者)バイセクシュアル(両性愛者)トランスジェンダー(心と体の性が一致していない方)に加えて、自分の性がわからないという「クエスチョニング」と性的少数者を表す「クィア」のQを加えた、セクシュアルマイノリティ全般を表す言葉です。
LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」,(【当事者監修】LGBTQとは?【2021年度最新版!】)
https://jobrainbow.jp/magazine/whatislgbtqia,(参照 2021-6-20)
日本語でいうと「性的少数者」のことみたいです。

確かにひきこもり自体が最近まで「男性がほとんど」と言われていて、女性の当事者は肩身が狭かったという事情もあるので、現状はLGBTQの方に対する配慮は行き届いてないと思います。

 

まとめ


居場所の大事な3大要素(場所、人、目的)


居場所の居心地が悪い理由を長々とあげてみましたが、まとめると大きく3つの要素が大事だと思います。

場所(開催場所がどんな雰囲気か?)
人(他の参加者はどんな人たちか?)
目的(その居場所の趣旨は?どんなスタイルなのか?)

この3つが全部が自分にとって良い!というのは難しいかもしれませんが、最低1つでも良ければ居心地が良いと感じると思います。

逆に3つとも良くない場合は、ほぼ確実に居心地が悪いといえるでしょうね。

3つの要素にそれぞれ自分で優先順位をつけて考えてもいいかもしれません。
僕なら①人②場所③目的の順が優先順位を付けます。


自分を知って自分に合った居場所に参加する


自分は何が好きで何が苦手かということを知っていると、居心地が良い居場所を見つけることができると思います。



誰でも好き嫌いや合う合わないはありますからね。

例えば僕なら「静かなカフェのような落ち着いた雰囲気で、少ない人たちとじっくりと本音も交えて話せる場所」が居心地が良い居場所です。

ひきこもりの方が居場所に参加するというのはとても勇気が要る「社会と関わる」ための第一歩だと思います。

だから居心地が悪くてもせっかく参加したのだから...と気乗りせずに参加し続けることもあるかもしれません。
でも、居心地が悪くて、その居心地の悪さが良くなる見込みがないのなら、すぐに行くのを止めましょう。

あなたが居心地が良いと感じる居場所はきっと他にあるはずです。


今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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