こんにちは!
今回はひきこもり当事者の方が集まるいわゆる「居場所」に何が必要かということを考えてみようと思います。
僕の個人的な経験から感じたことをたくさん含んでいるので、どちらかというと僕が理想とする居場所「論」になっているかもしれないのでご注意ください。
ひきこもりの居場所は「安心できる場所」というのが第一条件だと思うけど、それだけだと本当に困っていたり悩んでいる人は救われないから、併せて「前に進むためのきっかけ」が得られるといいよね。
— ひきこもりの生きる道@茨城 (@KgBzO7udAX7yweM) January 15, 2021
まだ、そこまで考えることができている居場所は少ないように思うけど。
第一に必要なのは「安心・安全」
「居場所」というのはひきこもりの方が外に出て最初に関わる社会なので「安心・安全」が確保されていることが、一番大切だと思います。
もっと具体的に表現するなら
「批判・否定されない」「変な目で見られない」「静かで落ち着いている場所」
などでしょうか?
僕の個人的な意見を含めるならば
「話をしてもしなくてもOK」「性別に関わらず安心して参加できる」
「個人的なことを詮索をされない」「主催者(支援者)が参加者に平等に接している」
「はじめての人も馴染みやすい雰囲気」
などが満たされているといいですね!
これらに共通するのは勇気を振り絞って居場所にやってくる方に「嫌な思いをしたり傷ついて欲しくない」というのと「自分はここに居ても良いと感じて欲しい」という2つの思いから考えています。
僕が過去に行った居場所でもこれらの要素が満たされていると「安心・安全」を感じやすかったです。
ただ、あまりもやりすぎるとお堅くなりすぎてしますので、ガチガチよりも少し緩めにして大事な部分はしっかりと守るというほうがバランスは良いですね。
行政とか公共的な機関の居場所はお堅くて、民間ほどゆるゆるになるイメージはあります(笑)
「安心・安全」だけだと本当に困っている人は救われない
1で挙げた「安心・安全」が満たされていれば、ひきこもり当事者の「居場所」として役目は果たしているし、存在価値はあると思います。
ただ、「安心・安全」だけで当事者が救われるかというと、僕はそうではないと思っています。
僕がその昔参加していた行政がやっている居場所はこの「安心できる」というのは満たしていたけど、参加を続けるうちに「ここに来ているだけでは何も起きない」となって段々と辛くなっていった。
— ひきこもりの生きる道@茨城 (@KgBzO7udAX7yweM) January 15, 2021
掴むのは本人の自由でいいから、何か前に進むためのきっかけが居場所にあると希望が持てるのだけどね。 https://t.co/SgmybRfVvL
↑こちらは、僕がはじめて「居場所」というものに参加した時の話ですが、その場所は行政が運営していたので「安心・安全」は満たされていて居心地は良かったです。
でも当時の僕はこの居場所が唯一の社会との繋がりだったので、他では何もしておらず不安で仕方がなかったです。
なぜかというとこの居場所に来ているだけでは「何も起こらないから」です。
特に僕は10年以上ひきこもっていたにも関わらず福祉にも繋がっていなかったので、普通に就活をして生きていくしか手段がなくて「就活するしかない→でも無理だ」という葛藤に常に襲われていました。
だからこの居場所に来ている時は「安心できて楽しい」けど、ここに来ているだけだと「将来の不安はなくならない」ので辛くなっていきました。
この後、僕は自分で動いて少し前に進むことができたので良かったのですが、誰もがそうできるわけではないと思うので、居場所の中で「何か前に進むためのきっかけ」があるといいのになと思います。
ひきこもり当事者はひとりひとり状況や抱えてる事情も違うので、誰もが福祉に繋がっていたり、他の社会資源を使えるわけではないですからね...。
僕は本当に困っている人ほど救われない状況というのは何か違うな、と思います。
「前に進むためのきっかけ」とは何か?
「前に進むためのきっかけ」と言っても、たぶん人によって違うと思うので具体的にこれだというものを挙げるのは難しいです。
あくまで今回挙げるのは僕が個人的に良いと思うものなのでご了承ください。
「就労・就活に繋がるきっかけ」
・ハロワなどの相談機関に相談しやすくなるための橋渡し
・就労体験、職場体験など
橋渡しは、ひきこもりの方はハロワに一度も行ったことがない場合もあると思うので、上手く居場所がハロワと連携して最初の一歩が踏み出しやすくなるといいなと思いました。
就労体験・職場体験に関してはどこかの企業に協力してもらい「働くことを体験する場」ですが、合わせて企業と当事者の方が双方同意すればそのまま雇ってもらえたりしたら、すごくいいですよね。
「ボランティアなどの体験や人との出会いに繋がるきっかけ」
・ボランティア団体などへの紹介
・居場所の人たちと一緒にボランティアに参加する
こちらはすぐに働くのは不安という方が「ボランティアを通じて人と関わることや一緒に作業をすることに慣れる」にはいいんじゃないかなと思います。
さらに居場所の仲間とボランティアに一緒に参加すれば敷居は下がりますよね。
「心理学など気持ちを軽くするための学び」
・居場所に読みやすい心理学の本を置いておく
・外部から講師を招いて心理学の講座をする
「心理学を学ぶ」というのは僕が心理学を勉強して心が楽になったという経験から挙げているのですが、そんなに難しいものではなくて
「心が楽になる考え方」とか「リラックスする方法」などの知っているだけで気持ちが楽になる知識が身に着けられるといいなと思いました。
「その他」
・個別相談
「日常的な悩み相談」「居場所を利用する目的」「これからどうしたいか」
などを個別に相談できる場があれば、前に進みやすくなるんじゃないかなと思いました。
ただ、相談が嫌な方もいると思うので、受けたい方のみがいいですね。
たくさん挙げてみましたが、これらを居場所を運営するひとつの組織だけで実現するのは難しいでしょうね...。
だから実現するには他の組織との連携が必要不可欠だと思いますが、僕の経験上ひきこもり支援のための連携というのはあまり上手くいってないイメージがあります。
実際に紹介してもらっても「話が違う!」と思うことも珍しくないです(笑)
話が少しズレますが、支援者の方は他の組織の取り組みは自分の目で見て大丈夫だと思ったもの以外は紹介しないでください。お願いします。
変な支援を紹介されるとせっかくの当事者の意欲が失われたり、余計に傷ついたりするんです。
記事を書いていて「サポステで似たようなことやっているかも?」と思ったのですが、サポステはとにかく就労ありきの支援なので、似ていても僕のものとは考え方が異なります。
僕は自分を含めて「ひきこもりの方に幸せになって欲しい」という思いで書いています。
就労はあくまで幸せになるためのひとつの手段で強制されるものではないですから。
まとめ
長くなりましたが、まとめるとひきこもりの居場所は第一に1で挙げた「安心・安全が守られている」ことが重要で、それが守られていればまずはOKだと思います。
ただ、それだけでは福祉に繋がっていない方などは居場所に来ているだけで「何も起こらず救われない」ので、3で挙げたような「前に進むためのきっかけ」があるといいなと思いました。
注意したいのは「前に進むためのきっかけ」というのはあくまでオプション扱いで、利用したい人だけ利用すればいいというスタンスがいいです。
「前に進むためのきっかけ」を半ば強制されたり、やらなければならない雰囲気にされるとそれはそれで嫌ですからね(笑)
「居場所だけを利用したい人はそのままで、前に進みたい人はオプションを利用する」そんな感じでどうでしょうか?
色んな立場のひきこもりの方が利用しやすい居場所があるといいな、そしてみんなが幸せになれるといいな...
最後まで読んでいただいてありがとうございました!